キチママ報告用スレッド@キチガイママまとめ保管庫
http://www.kitimama-matome.net/bbs/33689285.html
※この記事は当サイトに直接投稿された物です。


421: 名無しさん@キチママまとめ 2014-02-21 13:45:44
長くなったらごめんなさい。
つじつまが合わないなどはフェイクです。
クレーマーを懐柔した話です。

私が勤めていたスーパーのパン屋には、「食パンのAさん」という常連さんがいました。
私が入社する前から、食パンを毎週決まった曜日に七本買っていきます。
が、必ず、数日後にクレームの電話が入ります。
内容はいつも同じ。
「パンが焦げていた。底が真っ黒で食べられなかった。」
会社の方針で、店長が平身低頭で謝り、商品の交換、または返金を申し出ますが、商品はもう食べたのでない。
次から気を付けろとのことでした。
私はAさんに会ったことがなかったのですが、自分の焼いた時もクレームを入れられ、店長に怒られ、
悔しかったので、直接会って商品を渡すことにしました。

Aさんは赤ちゃんをおんぶした、髪がボサボサのノーメイクの女性でした。
私は、
「いつもありがとうございます。前回焼きすぎとのことでしたので、少し焼き色がつきすぎないよう気を付けました。
またお気づきになることがございましたら、ご指摘ください。」とかなんとか言いました。
Aさんは、無言で商品を受けとりました。

そんな感じで毎週、渡す役を私がかって出て、Aさんに「前回のはいかがでしたか?」

422: 名無しさん@キチママまとめ 2014-02-21 14:42:37
421の続きです。

などと声掛けをしたところ、クレームの電話が無くなりました。

しかし、今度はパンを渡す時Aさんが日ごろの愚痴を私に言うようになりました。
友達がいないこと、お金がないこと、欲しい服も買えないこと、働きに出たいこと、
でも乳飲み子を抱えて働けないこと、その上姑が最近ぼけてきたこと、どうも介護が必要なこと、
夫が介護を自分に丸投げすること、姑が意地悪なこと、姑が暴力をふるうこと・・・
これらを毎回気が済むまで、堂々巡りしながらしゃべり続けてました。
はたから見て、Aさんは異常でしたし、相当追いつめられてましたので、私も無碍に話を切り上げられず、
仕事になりませんでしたが、まわりの同僚が「クレームがなくなるなら・・・」と協力してくれました。

何回か話を聞くうちに、分かってきたことは、Aさんが困って疲弊していることの大部分が
姑の介護によるものだということ。にもかかわらず、Aさんは、お金がないからと思い込んで、
行政など外部の機関に一切のSOSを発していなかったことでした。

私は、この話をシルバー人材から派遣されているおばあちゃんパートさんに話しました。このおばあちゃん、
前職が役場かなんかで、福祉関連に明るかったのです。
Aさんのことを言うと、色々アドバイスしてあげられるから、次来た時に話をさせてと申し出てくれました。

幸い、次に来店する日はパンの予約で分かっていたので、シフトをいじくり、私とおばあちゃんパートさんが
Aさんの来店時に居合わせられるようにしました。

で、当日、私はAさんとおばあちゃんパートさんを引き合わせ、
私はおばあちゃんパートさんの分の仕事まで引き受けました。
二人はずいぶん長い間、パンコーナーの前で話をして、Aさんは熱心にメモを取っていました。

数日後、次週のパンの予約のキャンセルの電話が入りました。

それから半年ほど、Aさんは来店しませんでした。

423: 名無しさん@キチママまとめ 2014-02-21 15:16:45
422の続きです。

Aさんのことを忘れかけていたころ、私に異動の辞令が下りました。
私は正社員だったので異動がありました。近くでしたが、他店への異動を命じられました。

この店での勤務もあと数日、というとき、突然Aさんが来店しました。
Aさんは相変わらずのボサボサノーメイクでしたが、なんだか晴れ晴れとしてました。
パンコーナーで私を呼びとめ、この半年のことを話してくれました。
おばあちゃんパートさんと話し合ったあと、すぐに役所に相談したこと、ケースワーカー(?)がつき、
特別養護老人ホームに予約することになったこと、空きを待つまでの間、在宅介護だがさまざまな支援が
受けられることになったこと、さらに運がいいことに、奇跡的に間もなく老人ホームに入所させられることに
なったということでした。スーパーの店員と客なのに、親身になってくれて本当に助かったと感謝してくれました。
また、クレームの件も謝罪してくれました。「パンが焦げている」「異物が混入している」と言っていたのは姑で、
やり場がなくていつも電話してしまっていた。介護にも子育てにも追いつめられ、八つ当たりしてしまって
申し訳なかった、とのことでした。
私は、自分の異動を告げ、今までありがとうございました。とAさんに別れを告げました。

424: 名無しさん@キチママまとめ 2014-02-21 15:19:06
423のつづき、最後です。

それから数年後、私はスーパーを寿退社し、他県へ嫁ぎました。
実家に帰省した時、バス停でバスを待っていたところ、偶然Aさんに再会しました。
Aさんは、もうボサボサヘアーでも、ノーメイクでもありませんでした。
私は友人と一緒でしたが、Aさんは相変わらずお構いなしで話しかけてきました。
あの後、入所間もなく姑は亡くなったこと、姑が亡くなったとと同時に夫と離婚したこと、仕事が見つかり、
子供も保育園に行くことになり何もかもがトントン拍子に進んだこと、私を探して多店舗を回ったけど、
出会えなかったことを、やっぱりちょっとループしながら話してくれました。

それを最後に、Aさんには会っていません。
Aさんとお子さんが、今幸せに暮らしていることを願ってやみません。